
はじめに:髪色を変えたのに、なぜか垢抜けない
「流行のアッシュグレーにしてみたら、肌がくすんで見えるようになった」「明るくしたら顔だけ浮いてしまった」。
髪色に関するご相談は、サロンでも本当に多くいただきます。無理もありません。髪は顔のすぐ隣にある、面積の大きな「色」です。洋服は着替えられますが、髪色は数か月付き合うことになります。だからこそ、選び方を間違えると影響が長く続いてしまうのです。
このブログでは、イエベ秋(オータム)の方に似合う髪色の考え方を、色の方向性と、お顔の骨格という二つの側面からお伝えします。
第1章:イエベ秋に似合う髪色の基本は「黄みのある深いブラウン」
オータムタイプは、深みと黄みを持つ色調と調和するグループです。髪色でも同じ原則が働きます。
最も間違いが少ないのは、次のような色味です。
• イエローブラウン/マロンブラウン/キャラメルブラウン:温かみがあり、肌の血色を引き出します
• オレンジブラウン/コッパー:オータムの得意分野。健康的で華やかに見えます
• オリーブブラウン/マットブラウン:緑みを含んだ落ち着いた色。知的な印象に
• ダークブラウン:黒に近いが、黄みを残した深い茶。重くなりすぎません
共通しているのは、いずれも「温かみの残る茶」であること。真っ黒ではなく、かといって青みに寄せないこと。ここがオータムの髪色選びの軸になります。
第2章:明るくしたいときは「明るさ」ではなく「濁り」で調整する
「暗い髪色は重く見えるから、明るくしたい」というご希望はとても多いです。ここで気をつけていただきたいのが、明るさの上げ方です。
単純にトーンを上げていくと、髪から色の深みが抜け、顔だけが浮いて見えるようになります。オータムの方が明るくしたい場合は、明度を上げるのではなく、少し濁りを含んだ中間トーンに寄せるのが正解です。
たとえばベージュブラウンでも、青みのミルクティーベージュではなく黄みのゴールドベージュ。アッシュを入れたい場合も、寒色寄りのアッシュではなく、緑みのオリーブアッシュやカーキアッシュを選ぶ。同じ「明るい」でも、この違いで肌の見え方が変わります。
また、全体を明るくするのではなく、ハイライトで部分的に光を入れる方法も有効です。ベースの深みを残したまま軽さが出るので、オータムの持つ落ち着きを損ないません。
第3章:イエベ秋が失敗しやすい髪色
避けたほうがよい、というより「取り入れるなら注意が必要」な色をお伝えします。
1. 青みの強いアッシュ・グレージュ:肌の黄みと打ち消し合い、顔色がくすんで見えやすい色です
2. ピンク系・ラベンダー系:可愛らしい色ですが、青みを含むためオータムの肌とは温度差が出ます
3. プラチナブロンド・ハイトーンのシルバー:明度が高く冷たいため、顔立ちの深みと釣り合いにくくなります
4. 真っ黒(青みの黒):重さが出すぎて、実年齢より上に見えることがあります
ただし、これらが「絶対に不可」という意味ではありません。たとえば青みアッシュを入れたい場合でも、ベースを暗めのブラウンに保ちつつ毛先だけに入れる、メイクで血色を補うなど、逃げ道はあります。大切なのは、リスクを知ったうえで選ぶことです。
第4章:髪色は「色」だけでは決まらない ― 骨格とヘアスタイルの関係
ここが、当サロンが最もお伝えしたい部分です。
同じイエベ秋の方でも、お顔の骨格が直線的な方と曲線的な方では、似合う髪色の見え方が変わります。輪郭がシャープで直線的な方は、ダークブラウンのように輪郭のはっきりした色が映えます。一方、丸みのある柔らかな骨格の方は、同じブラウンでもキャラメル寄りの柔らかい色のほうが、お顔の雰囲気と調和します。
さらに、髪色は髪型と切り離せません。同じマロンブラウンでも、重めのワンレングスにするか、レイヤーを入れて動きを出すかで、印象はまったく別物になります。分け目の位置ひとつでも、お顔の見え方は変わります。
「色は合っているはずなのに垢抜けない」と感じる方の多くは、実はこの色以外の要素が原因です。色・骨格・髪型は三点セットで考える必要があります。
第5章:白髪が気になり始めた方へ
40代以降のお客様から多くいただくご相談です。白髪を隠そうとして髪色を暗くしすぎると、かえって顔まわりが重くなり、老けた印象につながることがあります。
オータムの方の場合、白髪を完全に塗りつぶす一色染めよりも、キャラメルやオリーブの明るめのブラウンでぼかす方法のほうが、自然に馴染むことが多くあります。深みのある色をベースに残しつつ、白髪の部分が浮かない濁りを持たせる。この調整が肝心です。
まとめ:髪色は、顔の額縁で一番大きな「色」
イエベ秋の方に似合う髪色は、黄みと深みを持つブラウン系。明るくしたいときは明度ではなく濁りで調整する。そして色だけでなく、骨格と髪型まで含めて考える。この記事の要点は、この三つに集約されます。
ただ、ご自身の骨格が直線寄りなのか曲線寄りなのか、どの濃度のブラウンがちょうどよいのかは、鏡を見ているだけではなかなか判断がつきません。ここはプロが客観的に見たほうが、確実に早く、確実に正確です。
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